Sicilia - シチリア -
- アグリジェントのパノラマ
- シャッカの港
- パレルモのカテドラル
- アグリジェントのディオースクリ神殿跡
- シラクーサ郊外のアグリトゥーリズモ
- 塩田の風車
地中海のほぼ中央に位置するシチリアは、沿岸諸国にとって海上交通の要衝として早くから開け、古代から現代に至る長い歴史の中で地中海列強の争奪の地となり、ローマ、ギリシャ、ビザンチン、アラブ、ノルマン、ドイツ、フランス、スペインなどに次々侵略され、1861年にイタリア王国に返還されるまで、常に異民族の支配下に置かれました。その影響で各国の特色が折り重なったイタリア国内でも独特な文化、芸術、料理、国民性が育まれます。
地中海に囲まれた海洋性気候と、南に控えたアフリカ大陸からの風が冬でも温暖な気候を生み、赤オレンジに代表される柑橘類などの他、多くの果物や野菜、サボテンの実など農産物の栽培が盛ん。また、アラブからもたらされた稲作は、降雨量が少なく不適切な土地ながら、アランチーニなど北イタリアとは違う個性の料理として土着します。環境に恵まれた素材は、やはりアラブからもたらされたスパイスやスペイン風のワインと共にナポリ料理と交流した「伝統的多国籍料理」と言い換えることが出来るかもしれません。
トマト、スパゲッティ(近代的工業生産品以前の)、カジキとマグロ(日本企業による乱獲で、資源の枯渇危機にありますが)、イワシ、シラス、エビ、茄子、レーズンとケッパー(風の島、パンテレッリーアの)、サフラン、トラーパニのクスクス(魚介の)、ファヴィニャ-ナ島のマグロ・ボッタールガ(原料卵の激減と後継者不足で絶滅寸前ですが)、ジェラート(その昔はエトナ山の万年雪を使用)、ピッツァ(今日ではその地位をナポリに譲った)、トッローネ(ヌガーの原型)、そして数多くのパン(イタリアで最も美味しいパン生産地域の1つ)とオリーブ(極上のオリオを含め)など、皆この地方で生まれた象徴的な素材です。
また、外国ではシチリアの魚介料理ばかりが紹介されがちですが、内陸には豚肉、仔羊肉や羊のチーズ、保護すべき古代種モディカ牛のチーズ「ラグサーノ」、ヨーロッパ最古のチョコレートをはじめ、数々の昔風・アラブ風ドルチェなど等があります。
「食」に積極的な旅人なら、実に興味深い郷土料理探訪が楽めるでしょう。
▼ 下記より気になるタイトルをクリックすると内容をご覧いただけます ▼
file No.20001: トラットリア アイ・カシナーリ(Trattoria Ai Cascinari)
パレルモ市内だがダウンタウンで街灯も少なく、夜になるとちょっと怪しげな空気が漂う地域にある「トラットリーア・アイ・カシナーリ」。
前菜をてきとーに頼むとシチリアらしく出るわ出るわ。
空腹はこれで半ば満たされ、例によって「やばい、最後までいけるだろうか?」と大食漢でも心配になってくる。
file No.20002: トラットリア ピッコロ・ナポリ(Trattoria Piccolo Napoli)
パレルモチェントロのボルゴヴェッキオという歴史的メルカートの片隅にあるピッコロナポリは、 50年という長い年月に渡り、コローナファミリーによって、鮮度抜群の海産物で顧客を楽しませている。夜9時に訪れると店は既に満席。
皆典型的なパレルモの魚介料理を賞味している。
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file No.20003: オステリア パラディーゾ(Osteria Paradiso)
パレルモチェントロから少々離れた場所にある昔から何も変わらないという食堂。
玄関には1967年創業時に書かれた「天国のワイン」の看板が。日中のみの営業で、予約はおろかこのご時世に電話すらない店。
file No.20004: オステリア デイ・ヴェスプリ(Osteria dei Vespri)
フィレンツェやミラノなどと同じように、パレルモにもワインバーが誕生しているらしい。
その内の一軒がここヴェスプリ。オステリーアと名乗っても実際にはリストランテ・ワインバーで、きれいな料理ときちんとしたテーブルセッティングを用意している。料理は郷土色を出さないインターナショナルで、殆ど創作の世界。
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file No.020005: トラットリア ドンチッチョ(Trattoria Don Ciccio)
パレルモ郊外のバゲーリアという小さな町の大衆食堂ドン・チッチョ。
創業は1943年と古く、小さなタヴェルナから始まった。現在では110席の大きな店となり、カストロノーヴォ家が3世代に渡ってテキパキと元気よく切り盛りする仕事ぶりも実に気持ちのいい食堂だ。 続きを読む
file No.20006: アンティカ・トラットリア・デッラルコ“フランク・ウ・ピスカトゥーリ”(Antica Trattoria dell’Arco ”Francu U Piscaturi”)
パレルモから車で30分程の小さな漁村ポルティチェッロ。漁港の脇に建つ“フランクの漁師食堂”。
魚を食べるロケーションとして最高の立地。食堂の入り口には新鮮な魚介が陳列され、その奥には前菜バーが、さらに奥が客席となっている。
file No.20007: リストランテ アル・ムリナッツォ(Ristorante Al Mulinazzo)
シチリア料理界No.1の呼び声高い、パレルモ郊外の有名な高級リストランテ。
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