Emilia-Romagna - エミリア-ロマーニャ -
- ボローニャ旧市街の広場にあるポセイドンの像
- 良質のオリーブオイルで有名なブリジゲッラの街
- フェッラーラ旧市街の中世のパラッツォ
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file No.09001: トラットリア ジャンニ・アラ・ヴェチャ・ブラーニャ(Trattoria Gianni a la Vecia Bulagna)
エミリア・ロマーニャ州の州都ボローニャ。
中世以降の法律で、ボローニャの主要な通り沿いに立つ建物は、1階の通りに面した部分を歩道として提供しなければならない。
この部分はポルティコ(回廊)となり、車道とは完全に分断され安全であるばかりか、雨の日でも傘をささずに買い物などが出来るようになっている。
おかげで街の景観は美しく機能的な上、経済効果もあがることだろう。
イタリアで最初の大学が出来た学問の街として有名だが、美食の街としても有名である。
ジャンニのトラットリアは気軽で美味しい大衆食堂。ボローニャの古いリチェッタを昔のままに作っている。余りに名高いプロシュットやサラミなどの生ハム類、ラビオリ、ラザーニャ、タリアテッレなどの生パスタ、豚肉や仔牛の主菜などなど美味いものがたくさんある。
file No.09002: ピアチェンツァの親友(Un Caro Amico di Piacenza)
北エミリア地方の小都市、ピアチェンツァに住む親友クリスティァーノを訪ねた。
彼とは南イタリア、プーリア州オストゥーニの郊外にあるアグリツーリズモ、「イル・フラントイオ」で出会った。
オリーブオイルとイタリアチーズのフリーコンサルタントで、ヴァカンツァを利用しオリーブオイルの一大生産地、プーリアを旅行中だった。
専門家としての信頼は厚く、イタリア・スローフード協会や外国からも講師を依頼されるほどだ。
食材への探究心は底なしに深く、朗らかな人柄は誰をも明るくする。
日本の飲食企業からも依頼されたことがあり、その時過ごした横浜のホームステイ先の家庭で親切にされた事や、全く異なる興味深い文化に感激しすっかり親日派に。
イタリアでも滅多に見かけない程いい奴だ。
file No.09003: ピアチェンツァ郊外の「村の老舗食堂」(Antica Trattoria del Borghetto)
ピアチェンツァ郊外の片田舎にある、その名もアンティカ・トラットリア・デル・ボルゲット(村の老舗食堂)。
クリスティァーノと連れ立ってやって来た。
この店の主人は消え去りつつある地域の伝統を、頑なに守る正しい生産活動者の一人。
新イタリア料理などには見向きもせず、自分達の仕事を信じ誇りを持って取り組んでいる。迷いなどは微塵も無い。素晴らしい!!
file No.09004: クラテッロ・ディ・ジィベッロ(Culatello di Zibello)
クレモナの南20km程、ポー川と交差する辺りに建つ「リストランテ・イル・カヴァッリーノ・ビアンコ」。
一度訪れたいと思っていたこの店に偶然来てしまった。実はクリスティァーノはここのシェフと友人で、今日はボクにいいものを見せてあげようと連れてきてくれたのだった。
この店が有名になったのは、地域独特の伝統的生ハム生産者としてだった。
生ハムは名を「クラテッロ・ディ・ジィベッロ」といい、この界隈に僅かな生産者が残るだけで、一時は絶滅しかけた希少種の優れた食品だ。
豚の腿肉の一番美味しい部分だけを切り取り、塩漬けし、豚の膀胱で包み、紐で網状に縛り、熟成庫に吊るされる。
1300年代には生産が始まっていたらしいが、生産方法を秘伝としたため、近年生産者の高齢化と共に伝承者が減り続けた。
1990年に地元の生産者達で復活の結束をし、1996年にはEUが指定するD.O.P.(原産地保護呼称:その土地の伝統的食文化を保護する法律)に指定された。
ピエモンテのブラにあるスローフード協会も、熱心にクラテッロを応援し、今では産業としても活性化しつつある。
独特の生産方法は、ポー川に沿ったこの地方に霧が発生しやすく、通常のプロシュットのような大きさでは乾燥し切れなかったからではないかと言われる。
file No.09005: トラットリア ベッラリア (ピアチェンツァ郊外)(Trattoria Bellaria)
Piacenzaの南28kmにあるPonte dell’olioというローカルは、周囲を山々に囲まれた清流のある集落。
店の名はまさに、「きれいな空気」という意味の造語でBellaria。
スローフード協会ピアチェンツァ支部で活動する友達LuisellaとMauroが連れてきてくれた。
もうロケーションからしてうまそうな雰囲気が充満し、店内に漂う香りも期待を高める。
果たして料理は美味かった!
地元のSalumi Piacentini、それに添えられたBurtleinaはTorta Frittaの一種で、名前だけは知っていたが初めてのご対面。
最高の相性だ。
美味くてついばくばく食べちゃう。
ピアチェンツァ名物の「尾っぽ付きトルテッリTortelli con le Code」は、ここでは「尾っぽ」が2つでCaramello(キャンディの包みのような形)としてアレンジされる。
この両者が兄弟パスタだったとは知らなかった。ルイゼッラ達との食事は実に勉強になる。
郷土料理探訪の醍醐味炸裂食堂!
再訪すべき逸軒。
file No.09006: リストランテ マウリ (ピアチェンツァ市内)(Ristorante Mauri)
ピアチェンツァ・チェントロのリストランテ・マウリは典型的な郷土料理店。
リストランテとは名乗ってもここは気軽な食堂。
イタリアでは料理店の肩書きはその「格」を明確化するものではなく、高いオステリアもあれば安いリストランテもある(東京みたいな「高級ピッツェリア」は無いけどネ)。
マウリはオープンして間もないそうだが、早くも地元の評判を得ているらしい。
スローフード協会・ピアチェンツァ支部のルイゼッラと夫のマウロが、地元の友人夫婦を誘って案内してくれた。
実はこの日は朝から食べっぱなしだったので、当店に到着したというのに、大して腹は減っておらず、まぁそれでも「ゴローゾの面目にかけて2皿はいっとかねば」と張り切ってみる。
やはりここではパンで作ったピサレイという小さなニョッキの一種と豆をあわせた名物、「ピサレイ・エ・ファゾゥ Pisarei e Faso」と、馬やロバも食肉する習慣があるので、馬の挽肉料理「ピクル・アド・カヴァル Picula ad Caval」を試したいところだ。
日本では塊の肉でなければセコンドとして認めてもらえないが、イタリアには挽肉やクロケット、時には野菜やキノコ、チーズなどでも立派なセコンドとなり得るので、食傷気味だった当日のような夕食時には打って付けである。
ワインは勿論地元の銘酒「グットゥルニオ」。
今のところ無名なお陰で価格は適正、というより安いくらい。
飲食店で注文しても安心な価格と品質。
file No.09007: カンティーナ ルレッタ モメリアーノ城 (ピアチェンツァ郊外)(Luretta loc. Castello di Momeliano, Gazzola)
ピアチェンツァの南に広がるColli Piacentiniピアチェンツァ丘陵地帯は標高200mの優良な葡萄栽培地で、地酒のグットゥルニオをはじめ、バルベーラやマルヴァズィア・ドルチェなど、イタリア国内でさえ無名だが、結構いいワインもあったりする。
ルレッタにはルイゼッラ達とベッラリアでの昼食後に案内された。
「ピアチェンツァで最高のカンティーナ」(ワインラヴァーのマウロ談)とのこと。
早速テイスティング開始。
古典的製法のマルヴァズィア・スプマンテは、若干甘味を残しているので好みではないが、デザートワインのマルヴァズィア・ドルチェは非常に素晴らしい出来。
外来品種を含めた赤ワインは何れもバリックを使用した流行のスタイル。
樽香をあまり付け過ぎず、葡萄の個性を残しているのでまず安心。
カベルネソーヴィニオンはガンベロロッソ最高評価の3グラス。個人的にはあんまり好みじゃないけど、日本人には大ウケ間違いなし。レストラン経営者としてはいいワインで売りやすい。
スィニョーラがつまみにクラテッロ・ディ・ジィベッロを手動のスライサーで切ってくれる。
ついさっきまでベッラリアで素晴らしいサルーミを食べていたので内心「ヤバイ」と思ったが、それでも試しに食べてみると「うっ、美味い!!」、バクバク食い、サルーミのレヴェル高さ思い知る。
これを食べるとやや甘味のあるスプマンテも相性がいい。
迫力満点の旦那が帰ってきて一緒に飲みだすと、ワイン談義に花が咲き、いつの間にか飲み会に(笑)。
8本を試飲。