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diary_03

Toscana - トスカーナ-

イタリア半島の中部に位置し、日本では最も有名で人気のある州「トスカーナ」は、中世を今に残す数々の美しい都市、自然と人が織り成す豊かな田園風景、微気候と大地が生み出す銘醸ワインと、代々マンマに受け継がれた伝統の田舎料理で、世界中の人々をも魅了し愛され続けている憧れの国。
フランス料理の基礎が、中世のトスカーナ貴族・メディチ家によってもたらされた話はあまりに有名ですが、現在のトスカーナにメディチのメニューを見つけることは殆どできません。
さらに残念な事に、伝統的な家庭料理も半ば忘れ去られつつあり、進みすぎた観光化の煽りで、幾つかの特徴的な郷土料理だけが、極端にクローズアップされる傾向にあります。しかし、豊かな素材をふんだんに用いた素朴な田舎料理は何を食べてもしみじみ旨く、例え初めて出会った味だとしても、「おふくろの味」のようにホッとさせてくれるものがあります。

アンティパストはいわゆる「前菜」というよりも「おつまみ」としての認識が強く、人々は食事の際に通常前菜を摂らず、スープからスタートしメインディッシュを食べる2皿料理の傾向にあります。そのおつまみには、プロシュット(生ハム)やサラミ、レバーペーストのクロスティーニ(トースト)などが必要にして十分なメニューで、食事前にオーダーして、食前酒と共に皆で突っつくこともあります。

トスカーナにはパスタの種類が少なく、1品目の料理の代表は「リボッリータ」という冬野菜のパン粥や、在り合わせ野菜のスープに卵を落とし半熟で供する「アックア・コッタ」です。豆っ食いの異名をとるトスカーナ人達は、種類の違う幾つかのインゲン豆を日常の食生活に大いに取り入れ、スープ素材としても欠く事ができません。

沿岸部を除きメインとなる2皿目の料理は圧倒的に肉料理ばかりで、魚は乾燥塩鱈を水でもどしトマトで煮込んだバッカラ以外に乏しく、近年の冷蔵と流通の発達のおかげで生魚も流通するようになったものの、調理技術・技法共単調で面白味にかけます。

対して数々の豚肉料理、地鶏、ウサギなど豊かな肉料理の数々、そしてフィレンツェ風ビステッカ(ビーフステーキ)は誰もが驚く圧巻の大きさ、1枚最低でも1.2kgの肉塊を炭火でレアーに焼いた古代種キャニーナ牛の名物ステーキ。
また、冬には野ウサギ、猪、鹿などカッチャジョーネ(野生鳥獣類)や、タルトゥフォ・ビアンコ(白トリュフ)も採れます。
素晴らしい素材と優良な食堂を持つ半面、観光客相手の店も相当な数にのぼり、行き当たりばったりで優良な食堂に出会えたなら上々の幸運と言っていいでしょう。

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