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diary_03

Sicilia - シチリア -

地中海のほぼ中央に位置するシチリアは、沿岸諸国にとって海上交通の要衝として早くから開け、古代から現代に至る長い歴史の中で地中海列強の争奪の地となり、ローマ、ギリシャ、ビザンチン、アラブ、ノルマン、ドイツ、フランス、スペインなどに次々侵略され、1861年にイタリア王国に返還されるまで、常に異民族の支配下に置かれました。その影響で各国の特色が折り重なったイタリア国内でも独特な文化、芸術、料理、国民性が育まれます。
地中海に囲まれた海洋性気候と、南に控えたアフリカ大陸からの風が冬でも温暖な気候を生み、赤オレンジに代表される柑橘類などの他、多くの果物や野菜、サボテンの実など農産物の栽培が盛ん。また、アラブからもたらされた稲作は、降雨量が少なく不適切な土地ながら、アランチーニなど北イタリアとは違う個性の料理として土着します。環境に恵まれた素材は、やはりアラブからもたらされたスパイスやスペイン風のワインと共にナポリ料理と交流した「伝統的多国籍料理」と言い換えることが出来るかもしれません。
トマト、スパゲッティ(近代的工業生産品以前の)、カジキとマグロ(日本企業による乱獲で、資源の枯渇危機にありますが)、イワシ、シラス、エビ、茄子、レーズンとケッパー(風の島、パンテレッリーアの)、サフラン、トラーパニのクスクス(魚介の)、ファヴィニャ-ナ島のマグロ・ボッタールガ(原料卵の激減と後継者不足で絶滅寸前ですが)、ジェラート(その昔はエトナ山の万年雪を使用)、ピッツァ(今日ではその地位をナポリに譲った)、トッローネ(ヌガーの原型)、そして数多くのパン(イタリアで最も美味しいパン生産地域の1つ)とオリーブ(極上のオリオを含め)など、皆この地方で生まれた象徴的な素材です。
また、外国ではシチリアの魚介料理ばかりが紹介されがちですが、内陸には豚肉、仔羊肉や羊のチーズ、保護すべき古代種モディカ牛のチーズ「ラグサーノ」、ヨーロッパ最古のチョコレートをはじめ、数々の昔風・アラブ風ドルチェなど等があります。
「食」に積極的な旅人なら、実に興味深い郷土料理探訪が楽めるでしょう。

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