file No.10013:  アグリトゥーリズモ イル・リーゴ(Agriturismo Il Rigo)

南トスカーナ、モンタルチーノ近くのサン・クィリコ・デッロルチャで宿泊したアグリトゥーリズモ「イル・リーゴ」。舗装路をはずれ凸凹道を車で十数分ほど行った小高い丘の上に一軒だけポツンと建っている。
車を運転していると雉(キジ)は飛び出し、羊の群れに出くわすなどなかなか楽しい。

【①一緒に宿泊した仲間たち】
食卓を囲むとすぐに打ち解けてみんな友達に。左端はオーナーのチポッラ夫人(玉葱さんという珍しい名字)

【②アグリトゥーリズモ イル・リーゴ】
丘の上のイル・リーゴ。周りは全て牧草の自家畑。隣の丘にもう1つある別館まで徒歩30分以上。

【③リボッリータ】
イル・リーゴのリボッリータ。
(くたくたに煮込んだ野菜のスープにパンを溶かし込んだトスカーナのパン粥)料理自慢の宿。

この辺りは広大な丘陵地にところどころ建物がある程度でひと気は少なく、舗装された一般道は高速道路同然で、信号も歩道も街灯も無い。
車無しには生活はもとより観光すらままならないところ。
しかし驚いたことに、40歳前後のパリ在住という日本人女性と、日本から遊びにきたというその女友達が、数時間かけ旅行用スーツケースを引きずりながらシエナから徒歩で来てビックリ。
インターネットでこの宿を見つけたらしいが、人里離れたアグリトゥーリズモに車無しで来るのはちょっと無謀。
パリに住んでいるという彼女は、こちらに対し訳の解らないライバル心剥き出しでツンケン張り合ってきてひどく感じが悪い。
ここで友人になったトリノのオスカルは、危険だからと自分の車でシエナまで送ってあげたのに、たった一晩で旅立った彼女達はそんな善意を当たり前の様に受け取っているから恐ろしい。
イタリアにはこういう箍(タガ)の外れた日本人女性が少なくない。
どんな土地に居たって日本人が古来尊重してきた儀礼の精神を忘れてはいけない。
尤も日本人の誇りを捨てた女に何を言っても無駄なことだろうが。

このくだらない一件はともかく、好きでイタリアに住み始めてまだ間もない日本人ならば、当然イタリア人とのコミュニケーションを熱望していることだろうが、積極的に行動しないとなかなかそんな機会も訪れないだろう。
アグリトゥーリズモの魅力の1つに、イタリアの夏休み期間ならば、普通のイタリア人との交流の機会を挙げられる。
ここイル・リーゴも普段は米国人、独逸人、英国人が圧倒的に多いそうだが、この期間はイタリアの夏休み期間だった為、宿泊者は全員イタリア人客だった。
尤も、イタリア人ならば誰でもOK!と友人(彼氏)を選ばず無防備になる日本人(女性)にはたまげるが、外人女を専門に口説くイタリア男は、イタリア人からも軽蔑されているのを忘れないで欲しい。
世界的にナンパのイメージで誤解されているが、普通のイタリア男はいきなり外国人女性に話しかけ食事に誘ったりなんかしない。
ナンパとオープンな国民性を混同しないでもらいたいが、一般良識の元、見ず知らずの他人に話しかけ、ごく当たり前に時間や道を尋ねたり、電車の中で世間話や家族の話しをはじめることはよくある。
そんな良識あるオープンな習慣の彼らが食卓を共に囲んで黙っていられるはずもなく、他人同士がすぐにうち溶け盛り上がる食卓はとても楽しい。
イタリア人だって恥ずかしがり屋もいれば、頑固じじいもいる。ついでにオタクだっている。しかしそんな人でもこっちから話しかければ会話は十分成立する。
イル・リーゴの食卓は実に愉快でにぎやかな時間を過ごさせてくれた。友達もたくさん出来るし、イタリア語の勉強にもなる。
特にスラングとゼスチャーの使い方は実例を交え熱心に教えてくれる。ボクがやると滑稽で面白いらしい。