file No.02004:  エルバルーチェ(Erbaluce)

イヴレアの友人、オスカルの妻ラウラの叔父さんと叔母さん夫婦が細々と作るデザートワイン「エルバルーチェ」。イヴレアの隣町カルーゾの小さな農家で、今は出荷する程の量は作らず自家用にほんの少しだけを作る。

地下のセラーには1940年以前のパッシート(陰干し葡萄で作った芳醇な甘口ワイン)が今も熟成し続けている。木樽は使わず瓶熟成のみ。熟した黄桃のような香りと、舌に滑らかな甘みが心地よい。エチケッタ(ラベル)は叔父さんのデザインで毎年変わる。

このエルバルーチェという葡萄は、この地域だけに残る土着の品種で、通常辛口のワインが作られている。しかし以前は作られていた甘口のパッシートが、今日ではほとんど見かけなくなってきているようだ。貴重なワインを作る後継者が少なくなってきて、惜しいことに絶滅の危惧がある。

【叔父さんと叔母さんとオスカル夫妻】
叔父さんと叔母さんを挟んで。カメラを向けると照れ笑いをする二人。
実直、朴訥を絵に描いたような人柄。
「今年は雨にやられた」と不作だったことをポツリと語る無口な爺さんだ。

【瓶詰めされたエルバルーチェ】
セラー内のエルバルーチェ。量はほんとうに少ないが、数十年間分が大切に保存されている。
ありがたくも嬉しい事に、この中から1978年のエルバルーチェ・ドルチェと、ヴィンテージ不明のパッシートを一本ずつプレゼントされた。もったいなくて開けられそうにない。

【葡萄の圧搾機】
葡萄の圧搾機。何でもかんでも「昔乍ら」ならいいというものではないが、近代的設備とは無縁。
昔乍らの機械と方法で坦々と作る。この場だけ見ると不安になるが、ワインを味わえば気も変わる。