file No.02012: アルバの焼き栗(Le Castagne Arroste di Alba)

秋冬になるとイタリアの町角には焼き栗売りが露店を出す。
焼き栗売りはイタリアの各地に見られるが、ピエモンテの焼き栗は表面が白く、
一見蝋粉をまとった黒葡萄のようにも見える。


アルバの町で見かけた焼き栗売りのおにいさんに「何でこんなに白いの?」と聞くと、「これは元々スペインのやり方なんだ」と教えてくれた。
スペインからサルデーニャに伝わり、その後ピエモンテへやって来たらしい。
どうやら当時の国取合戦と関わりがありそうだ。
サルデーニャを支配していたのはスペインだし、最終的にスペインからサルデーニャを奪還したのは、ピエモンテのサヴォイア家だ。

 

「どうやって白くするの?」と聞くと、気のいいおにいさんは、「簡単だよ、こうやってやるんだ」と言って、煙突型のロースターの釜を持ち上げ、中で熱くなっている石炭に塩をまぶした。
すると「シュワ~っ」と音を立て塩が蒸発する、すかさず釜を元に戻し後は待つだけだ。
白い粉は蒸発した塩が栗に付着したからだった。
栗を剥いて頬張ると、皮から指についた塩分が程良くうまい。