file No.02013: オステリア デッラ  ローザ・ロッサ 1(Osteria della Rosa Rossa vol.1)

ピエモンテ州クーネオ県の高台にある小さな町ケラスコ。
目抜き通りを車で走ると5分で町が終わってしまう。

オステリア・デッラ・ローザ・ロッサはケラスコにある優良なワイン食堂。
シェフのマルコは、ケラスコに古くからあるリチェッタ(レシピ)を、情熱を持ってそのままに守っている。
ワインの造詣にも深く、セラーにあるピエモンテワインのコレクションには、掘り出し物がちらほらと見える。
常に笑顔で背筋を伸ばし、シェフ自ら料理の説明をしに各テーブルを周る姿はとても感じがいい。

旨い料理と保存状態の良いワインは、共に良心的な価格で供され、客はこの店に気軽な日常の楽しみを見出せるだろう。
ケラスコの郷土料理と、取って置きのバローロ(89年のカヴァロット・リゼルヴァ)に歓喜した晩だった。

【カルド・ゴッボのクリーム煮】
カルド・ゴッボのクリーム煮。
カルドはカルチョッフィ(朝鮮アザミ:つぼみを食用にする)の遠い親戚だが、食べるのは花ではなく、セロリの芯のように育てた茎の部分。
カルド・ゴッボとはカルドに土を被せ軟白栽培した特別なカルド。味は蕗(ふき)や独活(うど)に似ており、灰汁(あく)がありほろ苦い。
調理法は多岐にわたるが、これはシンプルにクリームでよく煮込んだもの。
柔らかく煮込んでも瑞々しく、土の香りとほろ苦さは田舎の懐かしさを感じさせる。

【鶏レバーのタヤリン】
鶏レバーのタヤリン。
タヤリンはピエモンテの極細生パスタ。
ソテーした鶏のレバーをパスタで和えたものだが、レバーの臭みもモソモソ感も全く無くとても旨い。

【仔牛テスティーナの煮込み】
テスティーナとは頭の肉のことで、仔牛の鼻っ面やアゴ、頬肉などを指して言う。
何れもゼラチン質が豊富な部位だが、軽く火入れした程度では、ゴムのようでとてもじゃないが食べられない。
しかし良く煮込むとネッチリと柔らかくなり、とてもコクのある食べ応え十分な旨い料理となる。